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さきゅばす

第3章 夜のクラブ

全てのパフォーマンスと結果発表が終わり、招待客が席を後にするころになってもハルはテーブルに戻らなかった

「私が行ってもケンカになるだけだから……あなたが行って」

「……いいんですね?」

ナツさんは何も言わずにバッグを取る

「ハルは……たぶん、舞台裏のスタジオ」

私は人の流れに逆らって舞台の横にあるドアを開けた






通路を歩くと、ガラス越しにハルの姿がぽつんと見える

スタジオに入って私はハルの前に立つけど、ハルは下を見たまま、ヘッドフォンをして私に気づかないふりをしていた

しばらく、じっとハルを見たあと、スタジオを出ようとノブに手をかけた

「待てよ」

ハルはヘッドフォンを投げて、急接近する

私はドアに押し付けられ、ハルはドアに鍵をかけた

「……やらせろよ」

私の顔をつかんで無理やりキスをした

ハルの周りから獣の臭いがする

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