さきゅばす
第4章 平凡な毎日!?
このベッドタウンの街並みに似合わない、雑誌に出てくるモデルのようなスタイル
ハイヒールからサングラスまで隙のない完璧なセレクション
サングラスを取るとすぐに分かったナツさんだ
「わぁ! 久しぶりですナツさん!」
走って近づくと、ナツさんは豊満な胸で私を抱きしめる
「あぁん。よかった…」
「ど、どうしたんですか…!?」
押し寄せてくる華やかな香りにドキドキする
「もう同じところを2、3時間さ迷ってたのよ……
もうあきらめて帰ろうかと……」
ナツさんの顔を見ると今にも泣き出しそう
「ナツさんって…方向音痴なんですね」
「そうなの、いつもはハルがマネージャーの代わりをやってくれるんだけど、いま海外でしょ」
「あれ? ナツさんはハルと一緒じゃないんですか?」
「……ハルったら、もう次のフランスに直行しちゃって」
ナツさんは私を解放すると手をあわせた
「……お願い! ゴールデンウイークのあいだだけでいいから、マネージャーしない?」