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さきゅばす

第1章 桜

「いただきまーす」

私の箸は野菜を通り越して食卓の真ん中にある肉をつかむ

「あんた、生理きた?」

母の一言にあやうく肉が空中を飛び交うところだった

「ちょっと……やめてよ」
「重要なことなのよ。たしか、次の生理で27回目よね」

娘のプライバシーにどうどうと入り込んでくるのが、本当に嫌だ

「次の生理がきたら絶対、母さんに言うのよ」
「もう……」

そんな生理生理っていわれると、料理が全部パイナップルみたいな味になる

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