テキストサイズ

さきゅばす

第1章 桜

家に帰り着くと二階に上がって制服を脱ぐ

下着姿の自分が写った鏡を見て、ちょっとだけモデルみたいなポーズをとってみる

ほど遠いな……

肩まである黒髪を手でまとめて上げて見る

セクシー……ではない



私はそのままの姿で下に降りた

家には母だけで、父は私が幼い頃に亡くなった

「桜、お皿を出して」
「はいはい」

母はコンロのスイッチを切ってパスタを盛り付ける

料理も出来て、容姿端麗、しかも運動神経抜群でプロのトレーナーが仕事だ

足も長くて背も高く、昔モデルもやっていた

中学3年のとき母のようなスタイルにはなれないことを悟って、つらく当たったときもあった

いまでは諦めを通り越して
「いやーねぇさん、きれいな足しとるなー」

と、褒めるようにしている

ストーリーメニュー

TOPTOPへ