無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「ナツミカン達が帰って来るからその前に早く帰れ」

──そんなこと言って本当は僕ともっと一緒にいたいんだよね士は。
まぁ、僕も士のこと言えないけど。
本当は、このまま士とずっと二人でいられたらって思うときがある。
でもそれを赦してくれないのは、ナツミカンと小野寺ユウスケ、それと僕のプライド。
‥‥ねぇ、士。
“もっと早く君と出逢えていたら、僕らの関係は変わっていたのかな？
ライバルや似た者同士っていう壁は、もっと他のものに変わっていたのかな…”
そういいかけたのを心の中に呑み込んでその重い脚を外に向かって進めた時だ。
突然、何かに強く腕を引かれたかと思えば次の瞬間、僕は士の腕の中だった。