仮面な人たちの恋愛夢小説
第2章 仕事と愛と君と、(W)
『もう大丈夫…??』
『はい…何かすいません‥』
『いいのいいのっ!気にしないでっ♪ん?あれ…??』
『カブトムシ?』
カブトムシ、ではなく、見覚えのあるビートル。
どうやら帰りが遅い愛羅の身を案じて照井が飛ばしてきたようで…─
『竜くんのビートルだあ!』
『照井さんの…??』
『あっ、行っちゃう‥愛羅さん追い掛けて!』
『あっ、はいっ!』
様子を見終えたビートルを追って駆けていく愛羅。
ビートルは背中にいる彼女を見ながら風都署へと戻って行った…。
「水無月‥やっと戻って来たか」
『すいません‥心配かけてしまったみたいで…』
「心配したのは俺だけじゃない‥刃野刑事や真倉刑事達も君を心配していた」
『そうだったんですか‥』
ショボンとなって下を向く彼女に、照井はそんなに落ち込むな、とばかりに頭を撫でた。
『むぅ…っ』
「もう、一人で抱え込むな」
『っ…はい‥』
「‥それから…──」