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士と夏海が廃墟を後にする頃、流石に栞那のスーツ姿ではマズイと海東と共にブティック店に足を向けた。
入るなり海東は徐に目に入った黒のジャケットとジーパン、そして唾の深い帽子を差し出す。
彼女は有無も言わずに受け取って買うと試着室で着替える。
その際、一度手錠を外した。
暫くして着替えを済ませ出た先に意外にも海東が普通に立って待っていた。

『驚いた。てっきり逃げたかと思ったのに』

「僕は其処までセコい人間じゃない。勝負はフェアじゃないと面白くない」

『‥成る程』

「じゃあ行こうか。君にも手伝ってもらうよ」

再び手錠をかけ直す。
その際海東から腕を差し出したことに栞那は驚いた。
二人は極力目立たないよう街を歩きある場所へと向かった。