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仮面な人たちの恋愛夢小説

第32章 甘い愛の果実(鎧※)

「忘れさせてやる」


俺の言葉に小さく頷く女は、そのまま俺にしがみつく。

それからまもなくして、俺と女は一つになった──


『おはよう』


「起きていたのか‥‥いいのか?」


『ええ、おかげさまで』


エプロン姿の女が起き上がった俺に珈琲を渡す。

その珈琲は不思議と俺好みだった。


『どう?美味しい…?』


ベッドの脇に腰掛けて、同じ様に珈琲を啜る。

俺は女を引き寄せると迷わず言った。


「悪くない味だ」


女に口づけると、ブラックだった珈琲が少し甘く感じた。

その甘さは悪くない甘さだった──。

甘い愛の果実 END

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