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大人の恋は、慎重に。

第9章 Ⅸ


―そっか。―


って、

いつもの顔に戻ったゆきくんは

あいたお茶碗を持って
部屋を出て行った。



パタン。



閉じられたドアを

ただ呆然と見つめる。






『だって…無理だよぉ…』




瞬きと共に

ポロポロと

涙がこぼれ落ちた。

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