
大人の恋は、慎重に。
第11章 ⅩⅠ
少し木陰になったベンチに座って
ぼんやりと子どもたちを見つめる。
硫とゆきくんも、無邪気に遊んでたな…
お迎えに行った時なんかは、若いママになった気分で…。
「かわいいな。」
『…そうだね。』
同じように、
近くで遊ぶ子どもたちを見てると思ってた田村の視線は、まっすぐコチラを向いていて、
「夏帆…」
「お前と、家族になりたい。」
『………』
「あー!俺なにいってんの! 今のなし!
待つって決めたから!うん、
ウソうそ!あせんなくていいからな!?
なんか家族連れみてたらついさ、(笑)」
無理に笑って見せる田村に
少し
胸がいたくなった。
