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声を届けたい

第18章 無力



頬に…触れると…
暖かい…



生きている…




ホッとした………



『おはよ…早く起きなよ…守…今日は守の誕生日だよ…』



酸素マスクに点滴…
心電図に…血圧計…


機械が守の生きている証拠を映し出す…



頬に触れ…

声をかけても…


機具は何の反応を示さない…



声は…届かない…


私は…なんて…無力なんだ…





映画やドラマ…アニメ…だったら…


恋人の声に反応して…


目を覚ます…







やっぱり…現実は…
そんな事で…奇跡は起こせない…




私は…何に期待してたのか…


そんな事…ないのに…
ある訳…ないのに…








自分の愚かさ、浅はかさに…涙が出た…





守……………少しも…
届かないの?




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