声を届けたい
第21章 届ける
あれから毎日…
守の病室にお見舞いに行った…
仙台の夏も暑いが…
都心ほどの暑さはなく…
八月の始めは
過ごしやすいとさえ思えた…
『守!今日も暑いねー
でも、仙台は過ごしやすいよ。私、このくらいの夏なら平気かも』
守の体は反応なし…
たまに、目や指がピクピクと動くが…
珍しくない反応らしく…
始めはうれしかったが…その後…なんの進展もないのに…落胆してしまう…
奇跡は…無いと思ってね…
とおばさんにも言われた…
毎日、毎日…守に声をかけ…
体をマッサージして…
刺激を与えて…
呼びかけて…
期待してしまうのは…
ダメなのかな?