声を届けたい
第35章 願い
スーッと息を吸い込んで…
守の手をギュッと握る…
『…守…
…何を…言えば…お別れに…なるんだろうね…』
病室は心電図の動く音が響く…
静かすぎて…その音さえ…うるさく感じる……
『…四ヶ月…ちょっと…私の中に記憶が残る程度の関係にしたかったのかな…守は…
…昔しの記憶もあるんだよ…
私にとっては………
貴重な…四ヶ月……
中二の時に…手紙が来なくなって…
あの頃は…仙台で…私に構ってられないくらい友達や彼女が出来んだって…思ってたなぁ…
…
でも…手紙が来て…
結局…連絡しちゃった……
懐かしかった…からかな?』
ピッ……ピッ……
『まだ…直接…声…聞いてない…
もう…何日も…守の…声……
きいてない………』
ピッ……ピッ……
『…守は…
明日…その…動いている…心臓…誰かにあげちゃうの?』
ピッ……ピッ……
『……声は……
誰にも…あげないでね……』
私は……
寝ている…守の…唇に……
キスをした………