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声を届けたい

第37章 兄



はぁ…
と…ため息をついて…
友チャンは…話し出した…


「…中二の冬…お兄ちゃんが倒れて…バタバタしたんだ…
家の中はお兄ちゃんの事で頭いっぱいで…
私の小学校の卒業式…も…お父さんとお母さん…忘れそうになったし…当日はやっつけ仕事の様に…式が終わったら…すぐに病院に行ってた…」



時期的に…卒業式と手紙重なったんだね…



「…お兄ちゃんは…薬でなんとか…腫瘍の拡大を防いでいたけど…
頭痛は続いてたし…視力も落ちた…
それでも…腫瘍は大きくなって…
倒れて…脳死…だって……
ピンと来ないよ…



心臓…動いてるのに…

切り刻んで…

お兄ちゃんは…


バラバラになるんだって」


『…友チャン…』




「お兄ちゃん…は…
まだ…生きてるのに…
切り刻んだら……確実に死んじゃうよ…』




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