16歳に恋する23歳の俺。
第10章 連絡
抵抗したくても
家を出ていったあたしの身分では
できないし
何より怖くて
ただ、慧の冷たい目を見ていた
「なぁ…外出禁止だっつったよな?」
ジリジリと詰め寄り、
あたしは壁に追いやられる
「…………」
「なんでお前がいなくて、
お前の荷物もないわけ?」
「………………」
「答えろよッ!!」
ビクッ!
いきなりの怒声にあたしは肩を震わせた
冷静沈着な慧が声を荒げるなんてこと
今までなかったから
あたしは下を向いて俯いてしまった
同時に、溜めていた涙を
ポタポタと落としてしまう
「……チッ
で、お前はなんで出てったわけ」
いつものように冷静になった慧は
あたしに優しく問い掛ける