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君のため。

第23章 ホテルまで。

また無理矢理時間を作る私。

今日が最後だから。

お互いの家からは離れた駅で待ち合わせ。
ここは昔大好きだった人との思い出がある駅でもある。

彼はまた笑顔。

出会うなり身体をくっつけてくる。
手を、恋人つなぎに絡ませてくる。

「おめでとう」

会った日は私の誕生日の次の日。

プレゼント?可愛いピアス。

ありがとう。
…でもね。私ピアスの穴開けてないよ?

こういう所が、最終的に一緒になれなかったことや、今でもまだ想いを昇華出来ていないことに繋がっている気がする。
…彼は徹底的に不器用だった。

ホテルまでの道。信号待ち。
繋いだ手を離され、
突然スカートの上からお尻の割れているところを掴まれる。

何するの?
そんなにも待てないんだね。
一分一秒が大事って言ってたもんね。

そうだね。早く行こう。

でも、今日で終わりだよ?

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