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君のため。

第39章 覚悟。

ある日のメール。

「中に出していい?」

…ダメに決まってるよ。
どうして?

「すぐそばにいることができる気がするから」

…できちゃったらどうするの?

「ほしい。子ども」

…もし出来たら堕ろすよ?

「なんで?愛しあってる者同士なのに、なんでそんなことするの?」

…だって仕方ないじゃない。
滞りない生活のためには…。



たとえ妊娠してしまっても堕ろして。

そして過ちを共有して。

二人で一生罪悪感を背負って。

それでもいいの?
それでもいいなら。

私はそんな歪んだ絆を結んでもいいと思えるぐらいにまで、

彼を愛していたのかもしれない。

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