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君のため。

第41章 恋人として最後に抱きあった日 3。

この日が最後だから特別なんじゃなくて。

私にとって今までの自分を揺るがす決定的なことがこの最後の日にあった。

それがあったからこそ
私はまだ彼のことを忘れられないのかもしれないし、

それがあったからこそ
私はもう悔いなく別れてしまってもいいと思えたぐらいの、

そんな時間が最後の日にあった。

どういった流れでそうなったのかはよく覚えていない。

いつもは一緒になれないことで、彼の方がよく泣いていた。

でもこの日は私が泣きじゃくることになる。

彼に肩を抱かれながら。

ぽつりぽつりと話をしながら。

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