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君のため。

第45章 過剰。暴走。

恋人として抱きあった最後の日の後、
やっぱり彼は過剰になっていく。

メール、電話での過剰すぎる反応、
抑えきれない自暴自棄。


仕事中のはずなのに頻繁にくるメール。
声を聞かせて。声が聞けたら落ち着くから。
お願い。一時間に一度メールして。

仕事が手に付かない。
失敗。
今までこんな事なったことないのに。

深夜の電話。
眠れない。今から頭冷やしてくる。
屋上に上った。警備員に止められた。

倒れる。
深夜の救急に。
心因性嘔吐。
睡眠薬もらった。

行き過ぎの提案。
婚姻届取ってきたから名前を書いて。
通帳作って。振り込むから。夫婦になるんだから。


そして強い嫉妬。強すぎる嫉妬。
これもしないで?
それもしないで?
あれもしないで?
しないで…!
笑わないで…!


そして
後から聞いてわかったこと。
私の家まで来ようかと、
全てぶちまけてしまおうかと、
近くの駅まで来ていたらしい。


このままでは本当に彼は死んでしまうかもしれない。
愛されるのは嬉しいけど、
でも、このままでは…。


だから。ねぇ。お願い。
私のこともう少し嫌いになってよ…。


先が見えない不安。
どうなっていくんだろう?


でもあっけなく、余りにも突然に、
全ては終わってしまう。

全ては1本の電話によって。

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