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君のため。

第46章 ◇たった一人の◇

あなたにとって、

あなただけの、

たった一人の「サナ」でいたかった。

私の背景にはなんにもなくて、

たった一人の。


途中であなたは私の本当の名前を知ることになるけれど、
やっぱり私は「サナ」でいた。

あなたに「サナ」って呼ばれることが大好きだった。

「サナ」でいられる時間が大好きだった。

まぎれもない本当の私。

もっとずっと「サナ」でいたかった。

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