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君のため。

第50章 終わりの日まで 1。

私はあの電話の件で別れる気なんて全くなかった。

電話の後、
言い過ぎたかなとは思ったけど、
私が激しい口調で彼のことを責めたのは
初めてではなかったし、大丈夫だと思ってた。

むしろ私への想いが過剰になって
本当に死んでしまいそうな彼に
この電話の件で

少し私のことを嫌いになってくれたら、

冷静さを取り戻してくれたら、

とさえ思っていた。


でも、あの電話の後、なんとなく終わりそうな日々のメールが続く。

初めは全部私が決めたらいいと言ってくれていたのに。

結局彼は節々に「最後」を散らつかせ、
私に終わりを押しつけてくる。

どうしてこんな急に?

どうして別れないといけないの?

ずっとわからなかった。

だいぶ後になってわかる。

そっか。彼女さんともう始まってたから。

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