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君のため。

第8章 偽名。

軟派な出逢いだったから。

少しドキドキする暇つぶしとして
メール交換を続けた。

倫理的にどうかはわからないことだったけど。

名前は偽名で。

お互いのことあまり知らない方が
こういう事は続けられるんじゃないかな?って。

慌ただしい日常の中、
少し気持ちが高鳴るメールが
できるくらいの都合の良い距離感を望んでいた。

それなのに案外はやく、その時はやってくる。

私はその日、身体も心も全てを奪われてしまう。
とても、仕方なく。

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