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人魚

第8章 クッキー

夏生の家から直ぐ坂を下れば
海が広がる

蒼は自転車に股がり
夏生を後ろに乗せて
坂道を下り
一気に砂浜へとおりた



夏生は
裸足になり
クッキーを口にくわえ
海辺へ
走る


蒼も夏生を追いかける


海水が
身体にかかり
二人はわらいあう


『蒼…ごめんね。今日は…なんかさぁ
イライラしてたの』

と…背中を向けながら
夏生は、蒼に言った。


『いいよ。そんな日もあるぢゃん
夏生とこうやって居れるし…』と


夏生の背中に
そっと近づこうとする蒼


夏生は、ニッコリ微笑み
振り向こうとした…

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