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人魚

第12章 隙間

夏生は、蒼をはらいのけ

横を向き
蒼を見ないように…

『蒼の事 わからない。もう
あたしに構わないで。』


蒼は固まり
蒼白になった。


海の風は二人を荒々しく取り巻き

揺れる髪から
夏生の匂いが蒼の身体を通り抜けた


『夏生…歌音とは…ちゃんとキルから』


背中を向けた夏生に叫んだ


夏生の先に
歌音が立っていた。

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