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いつか…

第5章 :あなたと





2月に龍の誕生日…
そのあとのバレンタイン…
毎日毎日あわただしく過ぎていく

3月…
龍がウィルコムを契約して渡してくれた
私がワガママ言ったからかもしれない…
家に届いたら親に見つかるので
中学からの友達`あおい´の
家に届けてもらった
それからは時間があるたびに電話…
親に見つからないように
この頃だった
私の全部を龍に話したのは

4月…
「もうおいで…」
龍の言葉…
最初はわからなかった
けど…
これがはしまりだった

この頃龍のおじさんの`竜也さん´
と連絡をしていた
そのとき聞かされた
龍の病気…
「いつなにがあるか…」
それを覚悟できてほしいと言われた

5月の始まり
私は
学校に連絡をして休み
家出をした
行くのは龍のいる広島…
あのとき言われた`おいで´は
もう私が限界なのを気がついた
龍の気持ちだった
支度をしていても親は気がつかなかった
必要なものをそろえて…
最初の1週間は
おじさんの所でお世話になることになった
「親に見つかったときに
私と龍が会ってると隠せないから…」
それは龍に任せた
新幹線で4時間半…
一人でこんなに遠出をするのは
もちろんはじめてで…
ボストンバッグとリュック、
あとはカバンふたつ…
どこからどう見ても家出娘…
それでよく補導されなかったと思う
不安と期待…
そんな気持ちがあった
広島駅では
龍のおじさんが
お迎えに来てくれているらしい…
私は新幹線の中から
ずっと外をながめていた










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