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 巡 愛 

第2章 言霊の……


 ブログサイトの中で、かりそめにも“夫と妻”になぞらえた気持ちのやり取りを行ううちに、いつしか私はカンナさんに話し相手以上の感情を持つようになってしまった。

 メッセージをもらうたびに、自分の胸の高鳴るのを感じていたのだ。

 勉強や仕事以外のことにはろくに目もくれずに、流されるように結婚までした私が、まさか、たった半年あまりの文字だけの触れ合いで、恋に落ちるとは思ってもみなかったけれど。

 さすがに仕事には支障をきたすことはなかったものの、その鮮烈な感情は現実の夫婦関係には少なからずのひずみを生じさせることになった。







〔第2章 言霊の… 了〕

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