
巡 愛
第3章 もう一度……
パソコンを眺めるでもなく、ひとつところをただじっと見つめながら悶々とした気持ちでいたところ、午前0時を過ぎたあたりに携帯が震えた。
ブログサイトからのメールが一通。
――『カンナさんからダイレクトメッセージです』
サブディスプレイにはそんな文字が流れていた。
「ダイレクトメッセージ」という言葉に、私は少々緊張してしまった。
ダイレクトメッセージは、当事者間しか見ることのない、いわば秘密のメッセージ。
私とカンナさんは、それまでブログのメッセージ欄でしかやり取りをしたことがなかった。
公開が前提のそこでのやり取りをすることが“既婚者”という肩書きのついた者同士のマナーだと思っていたから。
私は恐る恐る、カンナさんからのメッセージを開けた。
