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 巡 愛 

第3章 もう一度……


 それが会話の少ない私達夫婦の唯一の繋がりのようにも感じていたのに、とうとうその繋がりさえも切れてしまうのかと思ったら、妻とそれ以上同じ空間に居られなくなり寝室を出た。

 真夜中、書斎のパソコンは静かにうなって立ちあがる――

 私はひとり、無意味にも仕事をするふりをして画面に向かい、自分を落ち着けようとしていた。

 そもそも、結婚以来夫婦らしい夫婦だったことなど一度もなかったのだから、妻が私を拒んだところでたいしたこともないじゃないかと……

 そう思う一方で、やっぱり形だけの夫婦だったのかと落胆しては、カンナさんの言葉の温もりを恋しくも思ったりしていたのだ。

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