奴隷な関係
第8章 温かい気持ち
今さら優しくしてもらえるからって勇気のところになんて行けない。
いったら私は……
「っ……ひくっ……」
「だから泣くなよ……助けてやれなくてごめんな」
首を横に振る。
勇気はなにも悪くない。
なにも悪くないんだ
「……今俺にしてほしいこと言ってみろ少しでも気持ちが楽になれるならしてやる」
「……頭撫でて」
「ん」
優しく触れられる……大きくて安心する。
「……抱き締めて」
「ん」
細く白い腕なのにとても力強い……
「……ごめんね勇気、私は勇気に選んでもらえて幸せなはずなのに私は優介を選んだ。だから……」
優介のこと、私は好きだった。
万が一優介が命令して男どもにあんなことをさせたと言えども恋ってときには止まらないもの。
それに悩んでいた私に優介は優しく問いかけてくれた。
そんな優しくも不器用なところもいとおしく感じて……