赤い恋 ~sho sakurai~
第17章 距離
荒「結衣ー!ほんとありがとう!今日はほんと助かった!」
仕事が終わって帰る用意をしてたころ荒井さんが私の元へと寄ってきて手を取った。
結「いえ、ほんと何も出来なくて…すいませんでした……」
ペコリと頭を下げて小さく笑って見せた。
荒「ううん!ううん!そんなことないよ!すっごい助かったよ!」
荒井さんはブンブンと首を振った。
結「あはは(笑)またなんかあったらいつでも使ってください。お役には立てませんが…」
荒「ごめんねぇ、ありがとう」
私はにっこり笑ってスタジオのみんなに挨拶をしてテレビ局を出た。
と、
翔「結衣!」
結「翔ちゃん、」
翔ちゃんがテレビ局から出てきて私の元へと走ってきた。
翔「一緒に、帰ろ?」
えっ
結「えっ翔ちゃん大丈夫なの?」
すると翔ちゃんは笑顔で頷いた。
翔「うん、反省会とかはまた今度だって。俺ぜってぇ怒られるわ(笑)」
結「あはは(笑)珍しく今日は噛んでたねぇ」
そう話しながら歩き出す。
翔「やっぱり分かった?(笑)」
翔ちゃんはイタズラっぽく笑って言った。
結「うん(笑)見ててハラハラしたよ(笑)」
翔「まじ(笑)はずっ」
こうして翔ちゃんと他愛もない話をするのなんて久しぶりかも…。
結「どうしたの、今日」
翔「え~?どうしてだと思う?(笑)」
結「しるかっ(笑)」
翔「あははは(笑)」
なんだか…さっきはちょっと不安だったけど、今こうしてるとやっぱり翔ちゃんは翔ちゃんだ…。
翔「…………ところで結衣さぁ……」
結「ん?」
翔ちゃんが何か言いにくそうに話を切り出した。
翔「……………………やっぱ…………にののこと…………好き…なの?」
……………………はい?
結「えっ?なんで…?!好きだけど今翔ちゃんが言ってる『好き』とかじゃないよ」
翔ちゃんが言ってるのは…
その恋愛感情とかでしょ?
翔「…………ほんとに…?」
……………………なにをそんなに疑う、
結「ほんと。前も言ったでしょ~?」
翔ちゃんはちょっと間を空けて
翔「うん…」
と言った。
結「もー!ほんとだってば!嘘じゃないよ!なんでそんなに疑うの?」