赤い恋 ~sho sakurai~
第19章 好きだから
「結衣、姫川沙良に言われたんだよ」
突然、後ろから声が聞こえた。
結翔「「にの!」」
和「ハイハイ、『にの』ですよ…」
にのはポケットに手を突っ込んで私たちの隣にきた。
翔「え、今のどういう意味?」
翔ちゃんはにのの顔を覗きこんで聞いた。
和「何を言われたのは聞こえなかったし、俺も結衣から聞いてないから知らないけど、誰か走ってく音が聞こえたから廊下出てみたら凄い顔した姫川沙良がいたからなんとなく察しはついた」
……にの凄い…。
翔「……どういう意味?」
翔ちゃんはまだよく意味がわからないみたいで軽く首を傾げてる。
和「……結衣。別に言ってもいいんじゃない?結衣ばっかり我慢することないよ」
…………にのは私が何を考えてるのかだいたい分かってるみたいだった。
結「…………うん……」
私は翔ちゃんに話すことに決めて、頷いた。
結「……翔ちゃん、怒っちゃだめだよ」
前置きをしてから翔ちゃんを見ると、「うっ」と図星をつかれたみたいだった。
翔「…………わかったよ……」
そう言ったから軽く頷いて私は話し始めた。
結「…………翔ちゃんがリビングにいて、私と沙良さんが廊下に出たとき…。沙良さんに言われたの…。私と一緒に暮らすことで翔ちゃんの自由が無くなるんじゃないの?って。…………翔ちゃんは私と暮らすの嫌なんじゃない?……って」
……沙良さんが翔ちゃんを好きなのは言わないで置いた。
私が言うことじゃないし…。
翔ちゃんはちょっと下を向いて、小さく首を横に振り始めた。
翔「……違う…。そんなの……思ってない……思うわけない……」
翔ちゃんは小さな声で確かにそう言ってくれた。
結「うん…。だからあのあと翔ちゃんが……ぎっ、ギュッ……ってしてくれたの……嬉しかった///」
思い出すと……照れる///
翔「あっ///あれは!にのっ和「あーーーー!!はいはい!!」
翔ちゃんが何か言おうとしたけどにのがそれを阻止した。
翔「ちょっ、おい!」
和「翔ちゃん、もう分かった?結衣と俺はなんもないから」
翔「えっ!お前、聞いてたの?!」
明らかに動揺する翔ちゃん。
和「うん(笑)てゆうかテレビ局出た時から後ろにいたし(笑)俺、翔ちゃんの一個下の階で撮ってたもん(笑)」