赤い恋 ~sho sakurai~
第23章 君と話してた あの昼下がり
結「あははは(笑)」
2人を見てるとつい、笑っちゃう。
結「やー、でも記憶飛ぶくらい呑んじゃったみたいでさ?(笑)ほーんと、まいっちゃうよ」
私は肩をすくめながら翔ちゃんの向かいに座った。
翔「記憶?(笑)」
結「うん、どーやって帰ったか覚えてないの。電車乗ったとき。覚えてないの。…え?何を笑ってる…」
翔ちゃんは口を押さえて肩を震わせてる。
…なに?!なんなの?!
翔「や、ううん(笑)なんも…ククク(笑)…ないよ…?ククク(笑)」
いや、なくねーだろー!
なんだ、その笑いは!
結「なに?!教えて!」
訳もなく顔が赤くなる。
翔「ううん(笑)なんも…ないよ(笑)」
結「絶対あるじゃん!!その笑い!!」
顔を赤くさせながら、私は立ち上がって翔ちゃんを指差した。
翔「わかった(笑)!わかったから(笑)!」
翔ちゃんは相変わらず笑いながら私をなだめた。
私はと言うと、口を尖らせてゆっくり座り直した。
翔「昨日ね?(笑)俺が佐織さんから連絡受けて結衣を迎えに行ったんだよ?(笑)」
……………………
『バタバタ…!』
翔「……行っちゃった(笑)」
『……バタバタ…!』
翔「……帰ってきた(笑)」
ほ……ほんとだ…。
私の発信履歴にはしっかりと
『翔ちゃん』
の文字。
結「あ…ありえない…」
佐織め…!
結「ってか!ごめんなさい!!」
思いっきり勢いよく頭を下げた。
翔「っえ?!」
結「翔ちゃん…疲れてるのに…。私なんかほっといてよかったのに…」
翔「あぁ、そんなの気にしてないよ、結衣軽いし」
結「え」
翔ちゃんははっとした顔をして口を押さえた。
…いや、まぁ、
手遅れですよね。
聞いちゃいましたから。
結「…どういうことですか…………」
ふるふると震えながら顔を真っ赤にさせて私は翔ちゃんに聞いた。
翔「あーー…、おぶりました…(笑)」
結「もう!最悪ー!」
もっと…もっと痩せてればよかった…。
翔「や、だから大丈夫だよ!結衣軽いって!むしろもっと太れ!こっちが心配だわ!」
翔ちゃんは納得させるように私に言った。
結「うー…。お酒だって超呑んだのに…」