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ふしだらと言わないで

第5章 慰み者の娘 2

 ごくっと息を飲む
 愛華が女の顔をしている
 物憂げで、まるで…

 おじ様を…想っている?



「愛華は…
旦那さまが好き?」
「…好き」



 驚いて声もなかった

 あんな女を食い物にする非情な男性など使用人の誰からも嫌われてると勝手に思い込んでいた



「な、なんで?」
「双葉は好きじゃないの?」



 好き?おじ様を?
 全然現実味がなかった



「双葉が羨ましい」
「へっ、なっ…」
「旦那さまはお優しい方…」



 昨日の宴…
 誰もが見てる前で
 めちゃくちゃにされた

 優しかったらそんなことしない

 おじ様はひどいんだ
 恨むのが筋だ
 そうに決まってる

 思い出して真っ赤になる
 あんな辱めをされて、おじ様を好きになれるほうがどうかしてる…

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