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FREE BIRD

第27章 裕司の誘い

ゆらゆら揺れる終電で、窓に僕が映っている。


もうすぐ31になるのに、前に進むのに躊躇するのは、やはり安定が一番安心だからだ。


だけど、このままでも切り詰めた生活だ。


美穂さんとの事も大切にしたい。


ゆらゆら揺れる電車で僕の心もゆらゆら揺れた。


窓に映る僕が、やるなら今だ。


チャンスを逃すなと言っている顔だった。

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