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FREE BIRD

第40章 エロスから愛へ

僕はそっと美穂さんから離れ、窓際に立った。


都内の夜景をジッと見つめていた。


宝石みたいで綺麗だ。


あの明かりの数だけ人がいて生活してんだよな…


先のない恋を続けるこの先に何があるんだろう?


それでも求めずにはいられない。


明日の夕方には美穂さんはご主人の為に食事を作り、笑顔をご主人に向けるのだ。


僕だけの笑顔の筈だ。


無性に腹が立ちガラス窓に拳をぶつけた。


僕だけの美穂さんにしたいのに出来ない。


背負ってる僕の荷物が重いから、僕にはそれが出来ない。


僕が二人いればいいのに…


身勝手な願いを思いつつも、もどかしくてもどかしくて苦しくなった。

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