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FREE BIRD

第56章 それぞれの年越し

雪とはあれからあの話題に触れていない。


今更、話し合う事もない。


健太は血が繋がってなくても息子には変わりないし、健太も僕を父親と信じて疑るわけもなく…


雪だって、仕事も家事も頑張ってくれてる。



壊す理由がなかった。



美穂さんにこの事実を話そうと思ったが、やはり家庭の話は美穂さんを悲しませるだけ。


これは僕だけの中に閉まった。



ただ、僕の心の中で何かが薄れていく虚しさだけはあった。








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