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FREE BIRD

第68章 妻として

あれは亡くなる一週間前だった。


進がボソリと話し出した。



「最近さあ、夢に孝子が出てくるんだよ」


孝子とは前妻だ。


「そうなの?」


「それでさ、おいで、おいでって…」


「やだ…」


私は薄気味悪くて身震いした。


「だよな。でも悪い気しないんだよな」


「ふうん」


私は複雑な心境で進に朝の薬を出した。

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