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FREE BIRD

第73章 新たな幸せ

ピンポーンとインターホンが鳴った。


「ごめんね〜、遅くなっちゃって」


千夏ちゃんが、娘、心と一緒にアタフタとやってきた。


「大丈夫よ」


「心のお教室があってさ…それにしてもこの家随分傷んでたのねえ、よく売れたわ」


千夏ちゃんは何もなくなったこのリビングをしみじみ眺めて言った。


心ちゃんは私をジッと見ていた。


心ちゃんはもう10歳になり、ほんの少し進に目元が似ていた。


「ほとんど土地代だけよ」


「そうよねえ」


共通点の進という存在がいなくなった今、私達には大した話はない。



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