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FREE BIRD

第75章 わかっていたよ

…マスターside…

カランコロンとドアが鳴り、久しぶりのカップルが入ってきた。


君らの事はよく覚えてる。


出逢いと別れを見てきたからな。


人は一歩引いて見ていれば、わりと何でもよく見えるもんだ。


にこやかな二人の表情で俺は何もかも読めた。


「いらっしゃい」


二人は笑顔で会釈し、奥のテーブル席に着いた。


さあ、やっぱり特製ブレンドを頼んでくるだろう。


俺の頭には既にブレンドする豆が浮かんでいた。

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