妖艶怪
第1章 第1章
顔を見て俺はドキッとした。
涙で潤んだ大きな瞳。
それをふちどる長いまつげ。
ふっくらした唇。
白い肌の小さな顔。
揺れるふわふわした巻き毛。
…とても可愛い。
「あ…」
そう言って涙を拭う。
何かあったんですか?
「彼氏に殴られて…
逃げてきちゃったんです」
声も可愛い。
俺は少し近づいた。
ひどいですね…。
こっちを見て
前髪を上げてみせる。
赤く所々紫に腫れていた。
「さっき鏡で見たら
泣けてきちゃって」
家はどこ?送りますよ?
「同棲してたんで…実家田舎だし」
すると急に抱きついてきた。
「抱いて。
ひとりになりたくない。」
トレンチコートの
蝶結びになったベルトを外し
ボタンを開け始めた。
コートの下は
黒のレースのセクシーな下着と
ストッキングではなく
ニーハイソックスだった。
下半身が熱くなり始める。
「抱いて」
俺の手をとり自分の胸にあてる。
夢中でキスを始めた。