妖艶怪
第10章 第10章
あの子は
いったいどこにいるの。
アタシは…
あの子に酷いことをした。
実の子に妖怪の顔を
見せるなんて。
それが許されるのは
食事を教えるときだけ。
それが人食い族の掟…
レイは
かなり傷ついてた。
重いため息をついて
頭を抱える。
デビルフィッシャー族から
結婚を迫られて断れるのは
人狼と悪魔族だけ…
アタシだって
あんなやつらは好きじゃない。
でも一族が途絶えかねない。
あの子には
アタシと同じように
心から愛せる人と
結婚して欲しかった。
ごめんね…レイ。
つぶやくとミラの腕が
アタシの肩を抱いた。