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妖艶怪

第10章 第10章



「レーナ…自分を責めるな」

でもあの子はきっと
他に好きな人がいるのよ。
オクターを愛してないの。
それなのに…

ミラは小さく唸った。

あの子の髪の色は
ミラ譲りの焦げ茶色。

ミラはぷっくりした赤い唇は
アタシ譲りだって言う。

アタシたちの大事な娘…
権力なんかとは違う
もっと強い力で
結びつけられたパートナーと
共になって欲しかった。


どうしたらいいの…

「…人間界なのか」

…たぶん、そうね。
妖界に居たら
オクターに見つかってる
はずだもの。

「あの子のためなら
俺は死んでもいい」

それはあの子が
オクターと結婚しなくても
いいんだ、そういう意味だった。


ええ、そうね…

アタシたちは
抱きしめあった。

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