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妖艶怪

第13章 第13章



俺は人殺しを
人を食べてる奴を
愛してるってのか

恐怖が込み上げる。

「やっぱりな。
言っただろ、
人間からしたら
僕たちは人殺しだ。
帰ろう。
レイの決意を受け止めてやろう」

お父さんが言った。

「でも頑張れば
食生活を変えることも…」

「だけどそれは…」

俺は拳を握った。
だけど…やっぱり…
俺、は…


俺を妖怪にできませんか

「えっ」

お父さんが目を見開く。

やっぱり俺は
レイを手放せない。
考え方、
おかしいかもしんないけど
彼女が人殺しなら
俺も人殺しになろう。
そう思った。

「ミラ…そんなの、
可能なのかしら???」

「さぁ…聞いたことないから」

「でもユーヤくん、
万が一なれるとしても…
それは人殺しになるって事よ?」

決して人の命を
軽く思ってるわけじゃない。
でもそれがレイの運命なら
俺もその運命を背負いたい。
くさいドラマの台詞みたいだけど
俺は本気だった。


わかってます。

「とりあえず
ひぃおばあちゃまに
聞いてみましょうよ、
あの人なら知ってるかも」

「そうだな」

お父さんは不安そうだった。

「覚悟はいいか」

はい

「僕たちから
絶対に離れるなよ」

「ね、着替えたらどう?」

確かに俺はスウェットだった。
パパっと着替えをすると
なんか気分がシャキっとした。

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