妖艶怪
第3章 第三章
アタシは空きっ腹を抱えて
人間界に降りてきた。
日は沈みかけてて
人間は少なくて静かだった。
こんな時間が最高。
今日は
綺麗系のちゃんとした服に
してみた。
アタシは男の匂いを感じて
暇そうに立っていた。
足音が近づいてくる。
美味しそうな香りに思わず
顔をあげるとアタシは固まった。
軽く盛られた
アタシのに似た焦げ茶色の髪。
長めのまつ毛に
綺麗な鼻筋…整った顔。
背も高くて
着こなしているおしゃれな服。
かっこいい…
つい声が出ちゃって
急いで口をふさぐ。
声に気づいてこちらを見る彼。
あ、あの道に迷ってしまって…
「どちらまで?」
声もいい声してる。
○△□ホールまで
行きたいんですけど…
あの辺は人通りが少ない。
「あぁ…道が複雑なので
案内しましょうか」
いいんですか?忙しいんじゃ…?
「大丈夫です。
いまちょうど暇なんで」
笑顔もめちゃくちゃかっこいい。
それじゃあお言葉に甘えて。
お願いします
「了解です」
アタシたちは歩き出した。