妖艶怪
第16章 第十六章
人間は険しい顔で
俺を睨んでいた。
「お…あなたに
言いたいことがあります」
低い声で言った。
レイが
こっちへ来るのを感じる。
なぜ今来るんだ。
その人間の後ろに
レイが立っていた。
「ユーヤ、
やっぱり一人はダメだよ」
レイが俺に構わず
そいつに言った。
なんかイライラするな…
「なんで来んだよ?!
俺は一対一で話したいんだよ」
俺と一対一で話す?
俺が言うと人間とレイは
かすかに俺を睨んだ。
「ごめん、オクター
ちょっと待ってて」
なぜ俺が待たなくちゃ
いけないんだ!
キレると人間が俺を睨む。
偉そうにしやがって。
何様なんだこいつは。
「お願い、一瞬だけ」
「なんでこいつに謝るんだよ??!」
あぁ?
「オクターキレないでっ」
「レイ、一回だけ
こいつと話しさせてくれよ」
「ダメだよ。アタシもいる!
だってユーヤは人間で
オクターは妖怪なんだよ?
何かあったら
ユーヤ死んぢゃうよ?」
つらそうなレイの顔。
なぜこいつに
そんな一生懸命になる?
もしかして…違うよな?
「わかった。
ここで一言で終わらせるよ」
人間が俺を見る。
どこまでも
俺をイライラさせる奴だ。