気がついたら。
第1章 1、きがついたら
ここにいてもしょうがない。
そう思った。
立ち上がろうとすると体中に激痛が走る。
『あああああぁっ・・・』
カクカクと体が震えて、またしゃがみ込んでしまった。
動けない・・・
まだ朦朧とする意識の中、何も覚えていない自分を恨んだ。
そして、孤独が虚しく思えた。
この細く、汚い道に独り。
ーーーーーコツコツ
背後から、誰かが来た。
こっちに近づいて来る・・・。
ーーーーーーーーーーコツコツコツ
死ぬっっっっっ
本能で身の危険を感じ、身を丸めた
すると
『君・・・大丈夫・・・?』
優しい声が降ってきた・・・。