
ヴァンパイアの誘惑<短編集>
第2章 メガネヴァンパイアの誘惑
「あっ、美優…三浦がいるよ」
「へ?」
由香の声に廊下の方を見ると颯さんが見えた。
ドキンッと心臓が跳ねる。
「ほらっ、行って来な!呼んでるよ??」
ぐいぐいと背中を押す由香におどおどする私。
理由は、颯さんの周りの女の子。
「見てっ!!三浦くんがいるっ!」
「かっこいい〜っ!!//」
颯さんはモテるから、私なんかが近寄りづらくて…
付き合って二年たつのにいまだに戸惑ってしまう。
それでも、由香に背中を押されて颯さんに近づいた。
「おはよう、美優さん」
「お、おはよう…どうしたの…?」
「いや、ただ…美優さんに会いたくて…気持ち悪いよね?」
少し顔を赤く染めて笑う颯さんに私はぶんぶんと顔をふった。
「そ、そんなことないっ!嬉しい…//」
