お金の関係
第13章 自分で
詩織「…痛っ」
壁に寄り掛かりながら
どうにか立ち上がる事が出来た詩織
膝は擦りむき、制服で見えていない場所
ひじや肩には
打撲が出来ていた
詩織「…!?」
トイレを出る寸前
鏡に映った自分の姿を見て詩織は言葉を
失った
頭から足先まで
全身、ずぶ濡れの状態で
顔は青白く唇はパックリ切れていた
詩織「…うっ」
泣きたくなった
泣いたら口の中も切れていたのか
涙と一緒に血の味が口の中、全体に広が
った
詩織「…着替えなきゃ」
この格好で
帰るワケにいかず
体操着を取りに教室へ向かった詩織
この時間
校舎に残ってる生徒はおらず
誰にも会わず教室まで行く事が出来た
でもそこで…
詩織「…!?」
充「詩織」
詩織「あっ…充さん…」
充「その格好、もしかしてまた!?」
詩織「違っ…違うの、私が…」
充「何だよ」
詩織「私が悪いの…充さんに相応しくな
いのに一緒にいるから…だから…」
充「そう言われたのか」
詩織「…」
充「他人の言葉なんて気にするな」
詩織「…充さん」
充「お前は俺のものだ、誰がなんて言お
うと、それは変わらない」
詩織「…」
充「わかったな」
詩織「…はい」