お金の関係
第14章 別れの時
父「詩織!?」
詩織「…」
白石「はじめまして、私先程お電話した
白石です」
父「あなたが…詩織がお世話になったよ
うで…本当にありがとうございます」
詩織「お父さん…あのね」
白石「では私はこれで、お金の方は後日
回収に伺いますので」
父「ありがとうございました」
詩織「…」
戻りたかった
充の家に戻って充とちゃんと話したかっ
た
気持ちを伝えたかった
でも…
詩織「…」
父「白石さんから聞いたよ」
詩織「えっ…」
父「父さんと久しぶりに会って嬉しくて
帰ってから泣いたんだって?」
詩織「それは」
父「白石さん、一日でも早く家族水入ら
ずで暮らせるようにって気を利かせてく
れたんだよ、いい人だな」
詩織「…そうだね」
詩織が戻って来て
また一緒に暮らせるようになって
嬉しそうなホッとしたような表情を見せ
る父
そんな父を見ていたら
充の家に戻りたいなんて言えるワケもな
く
その日、詩織は必死に笑顔を作り
夜が明けるのを待った