お金の関係
第16章 再会
詩織「…今日から学校か」
今日から
少し前まで通っていた学校へ戻った詩織
気持ちを切り替え新たな出発と
いきたいのだが…
詩織「…」
詩織の父の事は
学校中のみんなに知れ渡っていて
元の状態に戻ったとはいえ、みんな詩織
の事を
かわいそうな子、悲惨な子と
同情の目で見ていた
そんな状態で
新しい友達が出来るワケもなく
詩織は放課はいつも教室で一人で過ごし
お昼も
誰にも見られないよう校舎裏へ移動し
一人寂しくお弁当を
食べていた
詩織「…ごちそうさま」
食欲がないワケではなかったが
半分食べたくらいで、ごちそうさまして
しまった詩織
その後
教室に戻る事なく
授業が始まるギリギリの時間まで
ここで過ごすのが毎日の日課になってい
た
詩織「…」
高倉先輩「詩織ちゃん…」
詩織「…高倉先輩」
偶然か必然か
詩織の前に現れた高倉先輩
相変わらず、かっこよくて素敵な先輩
一時期、詩織も先輩に憧れていた時期も
あったが…
詩織「…」
高倉先輩「詩織ちゃん?」